みなさん、こんにちは。
東京アラフォンヌのロミコです。
今回は、北九州発祥といわれる「角打ち」を体感したく、小倉と門司(もじ)へ赴き、潜入捜査をしてきました。
北九州発祥といわれる角打ち
北九州は、明治から昭和にかけて、八幡製鉄所や筑豊炭田をはじめとした日本有数の工業地帯として、日本の産業の近代化を支えた地域です。
また、関門海峡を挟んで本州に接している立地から、門司港は外国航路の拠点、貿易港として活躍しました。
そのような背景から、シフト制勤務の方々の「仕事帰りの一杯」需要に応えるべく、角打ち(酒屋さんの一角で駄菓子などを「つまみ」に、お酒が立ち飲みできる酒屋さんのこと)文化が北九州地方に広がっていったそうです。
角打ちは、酒販価格でお酒が提供され、つまみも手軽で、とてもリーズナブル。長居はせず、さっと飲むのが楽しいですね。
今回ご紹介する3軒は、いずれも長い間地元の方々に愛されてきた人気店ばかりです。
1軒目 赤壁酒店(小倉)
旦過市場の中にある風格のある角打ち
まるで任侠映画のロケ地のような、昭和ノスタルジックな佇まいがたまらない旦過市場の中にあります。
市場内を歩いていると、まるで昭和30年代にタイムスリップしたかのような雰囲気に圧倒され、不思議な気分になります。
平仮名で「あかかべ」と書かれた大きな暖簾が目に入り、赤壁酒店に到着しました。
「サザエさん」の三河屋さんのような外観

奥まで進むと、立ち飲みカウンターがあり、すでにご常連でにぎわっています。冷蔵庫からキンキンに冷えた缶チューハイをセルフで取り出し、早速一杯頂きます。
北九州角打ち初体験のロミコは、お店に入ると荘厳(?)な雰囲気に呑まれたせいか、少し緊張してました(汗)。
カウンターには、日本酒のラインナップが張り紙してあります。種類が豊富で、変わり種では「ハブ酒」などもありました(驚)。
こちらの角打ちは、お手製メニューがいただけます。メニューの中に、見慣れない「鯖の糠だき」があったので、早速注文してみました。
糠だきは、糠床の糠を使って炊く北九州地方の郷土料理です。関東地方ではなかなかお目にかかれない一品ですね。
見た目は「鯖の味噌煮」の色を濃くした感じで、頂いてみると、身がしっとりふっくら、糠で炊いているせいか、コクと酸味のバランスが良く、甘味の余韻もあります。お酒が進んじゃうおいしさです。
写真撮影しづらい雰囲気だったので、残念ながらおつまみ等の写真は撮りませんでしたが、一杯頂いて気が大きくなったのか(笑)、撮影許可をいただき、店内装飾を少し撮影させていただきました。
昭和感のある酒のお品書きが素敵

奥には年代物ビールのポスターがずらりと飾られています

旦過市場の中で、昔ながらのスタイルをキープする角打ちは、もはや昭和遺産。
地元の方々には、仕事帰りにふらっと立ち寄ってしまう、ほっと一息つける場所なのではないでしょうか。
また、ロミコのようなツーリストには、地元の味を肴に一杯頂ける貴重なお店です。
URL: https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400401/40019762/
2軒目 平尾酒店(小倉)
上品なおかみさんが作る豪快なツナサラダと着席スタイルがうれしい
旦過市場を抜けて、菅原神社のある通りをまっすぐ歩いていくと、次のお目当て「平尾酒店」が見えてきます。
店頭はいたってノーマルな「町の酒屋さん」ですが、入口が正面と側面に二つあり、角打ちスペースは、横の引き戸口がメインの入口のようです。
正面から撮影

角打ちコーナーは、L字型テーブルに椅子が並び、すでにご常連で満席状態でした。テレビや新聞などで取材を受けることが多いのか、写真や記事などが飾られていました。
カウンターの様子

おつまみは、缶詰、駄菓子類の他に、スペシャリテ!?「おかみさん特性のサラダ」が有名です。
上品で優しい語り口が素敵なおかみさんが、目の前で作ってくださるサラダは、豪快だけれど、優雅、まるでパフォーマンスショーのようなでした(笑)。
慣れた手つきで、平皿の上に、魚肉ソーセージ、ツナフレイク、オニオンスライスを山盛りに飾り、マヨネーズ、酢、七味を、「これでもか~!」ってほど、かけまくるんです。
人気のサラダ

見ていると味が濃そうな印象を受けますが、頂いてみると意外にさっぱりとしていて、お酒にぴったりなおつまみです。
ご常連さんが帰った跡

市場内の赤壁酒店よりも駅から離れているので、よりローカル感が強い印象ですが、やさしいおかみさんがいらっしゃるので、女性ひとりでも気後れせずに、気軽に立ち寄れます。
URL: https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400401/40030139/
3軒目 魚住酒店(門司)
「古民家角打ち」と名付けたいビンテージ感がたまらない唯一無二のお店
小倉駅からJR鹿児島本線で15分程度のって、「門司港駅」へ向かいます。
駅から山の方に少し歩いた高台、かつて花街があった昭和の有名料亭「三宜楼」のそばにあります。
年季と魂の入った外観

店内に入ると、土間エリアに立ち飲みカウンターがあり、その奥には住居スペースが見えます。冷蔵庫から冷えたグラスとビールをセルフで取り出し、早速一杯頂きます。
居間の方からお母さんが、サービスで枝豆と正月に煮たらしい甘辛味の牛蒡を出してくださいました。
この日は猛暑で、お店に着いた時には汗だく状態でしたので、キンキンに冷えた最初の一杯のビールは最高においしかったです。
しばらく経つと、暑さも和らぎ、店内の団扇を拝借し、くつろぎはじめたロミコは、店内をキョロキョロ。
かなり古い木造家屋です。天井近くの棚の上には、年代物と思われる古い樽があり、また古い写真やポスターなどが無秩序に飾られているようで、実は計算されつくしているんじゃないかと勘繰ってしまう、「スゴサ」を肴にサワーへ移行していきました。
常連よろしく気取りなロミコ

本物の角打ちに触れた気分です

このエリアの角打ちには珍しい日曜営業なのが、ツーリストとしてはうれしいですね。言葉では説明しがたいタイムスリップ感を味わえる角打ちです。
URL: https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400501/40019766/
まとめ
新しいのにレトロに盛ってるイマドキな角打ちには、もう立ち寄れないのではないかと思うくらい、本物を目の当たりにしたような衝撃を受けた角打ち巡りでした。
その土地で育まれ、それぞれのお店で独自のスタイルを形成し、愛され続ける角打ち店は、これからもずっとそのスタイルを守り続けて欲しいですね。
スゴカ北九州!
by ロミコ
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